野菜の本分

昨日の夜は、仕事のあと、ちょっとイベントへいっていきました。このイベントは毎週木曜日に我楽というバーで行われるものです。バーでのイベントとはいっても、お酒と着飾った人たちというような類のものではなくて(そんなところには怖くていけない)、いたってまじめというか真剣というか、毎回、講師を迎えて話をきき、おいしい夜ご飯を食べるという高度に健全なイベントです。

しかも、農業関係の回もけっこうあるので、これまでも何回か参加させていただいています。我楽の店主さんも食べ物や農業への力入れがすごくて、わたしなんかより勢力的に活動されています。やばいです。

さて、今回の講師さんは、美術系大学をでて「八百屋」になったという変わり種の女性です。この八百屋さんは香土(かぐつち)といって、金沢市内に去年オープンしたばかり。ここは、ある意味あたらしいコンセプトをもっていて、「旬の野菜しかおかない」「地元の農家さんの野菜しかおかない」という、このご時世では挑戦的な八百屋さんです。

とはいえ、話を聞く前は不遜にも、「まあ、それっぽいことを話すんだろう」くらいにたかをくくっていましたが、予想外にぶっとんでいて一時間聴衆をあきさせないトーク、おみそれいたしました。アジの話がおもしろかったんですが、まあそれはよいでしょう。

話のなかで印象的だったのが、「本質」という言葉でした。うわっつらで生きることが推奨されているこの世界で、「本質」なんていいだすのはけっこう新鮮だし、時には危険さえともないます。ですが、その本質を求める心が彼女を八百屋にしたわけですね。たぶん。

わたしもそうとうめんどくさいタイプの人間なので、「本質」などといわれると血がさわいで、いろいろ言いたくなりますが、長くなるのでやめときます。とにかく、「旬」と「地元」っていうキーワードを念頭におきつつ各自省察してください。わたしとしても、生産の立場からの「本質」ってやつについて問い直すことにしようかなと。