赤飯につかうアズキとササゲ。これらはどちらもマメ科の植物で、さらにいうとササゲ属という仲間です。でも、アズキはアジア系のササゲ属、ササゲはアフリカ系のササゲ属。ちなみに、春雨の原料になる緑豆もササゲ属のマメ植物です。アジア系なので、ササゲよりアズキに近いといえます。
緑豆っていわれてもピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、そんな方もたぶんよく知ってはず。まーそのーお財布の中身がちょっとさみしいときとかによくお世話になっています。20円とか30円で山盛りになって売られている。そう、もやしです。
日本でふつうに売っているもやしは、緑豆か、黒豆か、大豆かですが、何でももやしになります。英語でいうとスプラウト[sprάʊt]。もやしっていうと四畳半な雰囲気ですが、スプラウトっていうと高級感でます。今日は、スプラウトの炒め物よ(はーと)みたいな。話はかわりますけど、東北地方などに生えているブナ(木です)の種のスプラウトも昔は食べたそうです。
スプラウトを食べる習慣はすごい古くからあったそうで、5000年前くらいから記録があるそうです。種のまま食べるよりいろいろいいことがあったんでしょうか。確かにお豆を食べるのもいいけど、もやしのシャキシャキ感もすてがたいものがあります。分解酵素がでるから甘くもなる。
とうぜんながら、ササゲでもアズキでもスプラウトすなわちもやしはできます。んで、実際に発芽させてもやしにしてみると面白いことがわかります(今日いいたかったのはこれ)。ササゲは種の部分が上の方にもちあがっていくのに、アズキは種が下のままです。ちなみに、緑豆も大豆もササゲと同じように種の部分が上にあがってきます。なじみのある多くの植物はこのタイプ。種が子葉として地上に上がってくるのです。
この違いは、土に種をまいた時も同じで、アズキは種は地下に残ったまま本葉があがってくるのに対し、ササゲは、子葉として地上に上がってきます。つまり、アズキは地下子葉性、ササゲは地上子葉性というわけです。
こういう事実にでくわすと、わたしなんかは、「何か重大な意味があるに違いない!」と思います。それで、アズキとササゲがどんなところで暮らしているかとか、発芽のタイミングが違うのかとか。なんにでも意味がある。と考えてしまうのは人間のサガですが、やっぱりいろいろな生き物がそれぞれいろいろな生き方をしてるんだ。と思うととても面白いです。