昨日の夜は、仕事のあと、ちょっとイベントへいっていきました。このイベントは毎週木曜日に我楽というバーで行われるものです。バーでのイベントとはいっても、お酒と着飾った人たちというような類のものではなくて(そんなところには怖くていけない)、いたってまじめというか真剣というか、毎回、講師を迎えて話をきき、おいしい夜ご飯を食べるという高度に健全なイベントです。
しかも、農業関係の回もけっこうあるので、これまでも何回か参加させていただいています。我楽の店主さんも食べ物や農業への力入れがすごくて、わたしなんかより勢力的に活動されています。やばいです。
さて、今回の講師さんは、美術系大学をでて「八百屋」になったという変わり種の女性です。この八百屋さんは香土(かぐつち)といって、金沢市内に去年オープンしたばかり。ここは、ある意味あたらしいコンセプトをもっていて、「旬の野菜しかおかない」「地元の農家さんの野菜しかおかない」という、このご時世では挑戦的な八百屋さんです。
とはいえ、話を聞く前は不遜にも、「まあ、それっぽいことを話すんだろう」くらいにたかをくくっていましたが、予想外にぶっとんでいて一時間聴衆をあきさせないトーク、おみそれいたしました。アジの話がおもしろかったんですが、まあそれはよいでしょう。
話のなかで印象的だったのが、「本質」という言葉でした。うわっつらで生きることが推奨されているこの世界で、「本質」なんていいだすのはけっこう新鮮だし、時には危険さえともないます。ですが、その本質を求める心が彼女を八百屋にしたわけですね。たぶん。
わたしもそうとうめんどくさいタイプの人間なので、「本質」などといわれると血がさわいで、いろいろ言いたくなりますが、長くなるのでやめときます。とにかく、「旬」と「地元」っていうキーワードを念頭におきつつ各自省察してください。わたしとしても、生産の立場からの「本質」ってやつについて問い直すことにしようかなと。
昭和46年生まれ。神奈川県産。妻ひとり猫ひとり。高校時代は丹沢に通って荷揚げのバイトしていたおかげでカモシカのようだったが、それも昔の話。その後、生態学者を志し、大学でできるだけひとの役にたたない研究をしたいと思っていたもののかなわず今に至る。現在は、お米を生産する法人で働き、自然栽培米に関わっていたりする。IT企業でも数年働いており、そのときの経験を生かして、農業にIoTをDIYで導入する手伝いをしたいと思っている今日このごろ。また、生き物にはやさしいけど、ひとには冷たいよねという評価もあったりする。